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今週の気持ちは「生かされて誓う」

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 「女・男の気持ち」(2021年7月15~21日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、大阪本社版7月21日掲載の投稿です。

   ◇

<今週の気持ち>

生かされて誓う 和歌山県有田川町・竹中栄さん(主婦・76歳)

 7月9日は76回目の和歌山大空襲の日だった。昭和20(1945)年のこの日深夜から翌10日未明にかけ、米軍B29爆撃機が投下した焼夷弾(しょういだん)は1000人以上の人命を奪ったとされ、和歌山市の中心街は焦土と化した。父が一代で築いた燃料と氷の卸業の店舗兼自宅も大きな炎を上げて焼け落ちた。

 当時、生後3カ月に満たなかった私は小さな防空頭巾をかぶせられ、母におんぶされて家族と逃げたと聞かされた。父の判断でサツマ芋畑に身を伏せ、命をつなぐことができた。しかし、一変した田舎での疎開生活は家族の幸せと父の健康を奪ってしまった。

 私は両親や姉に戦争のむごさを聞いて育った。そして、今年も和歌山市の汀(みぎわ)公園で営まれた追悼法要を新聞とテレビで見た。遺族会代表の方の証言を聞いて想像を超える悲惨な状況に凍りつく思いがし、亡き両親への感謝の念で涙があふれた。

 戦火から守ってくれたこの命を大切にして生き抜くことが両親への供養と信じている。近い日に家族で汀公園を訪れ、慰霊碑に手を合わせようと誓った。孫たちに平和の大切さを伝えることも私の使命だと思う。

 両親の原点の地であり、生家があった「和歌山市友田町2丁目」は私の永遠の故郷だ。お父ちゃん、お母ちゃん、来世は戦争のない平和な世界でまた私を子供にしてください。

   ◇

<担当記者より>

 今年は戦後76年。暑い夏がまた巡ってきました。投稿者の竹中さんは生後3カ月で和歌山大空襲に遭遇。火の海から逃げるとき、窒息しないようにと、後ろ向きに母親の背に負わされたとのこと。もちろん記憶にはなく、後に聞かされたことではありますが、確かな実体験でもあります。

 先日、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を、国の援護対象区域外で浴びた住民ら84人が被爆者健康手帳を交付するよう求めた訴訟の控訴審判決が出ました。広島高裁は、84人全員への交付を命じた1審の地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。

 21世紀になってはや20年がたちましたが、この平和な日本にも、前世紀の戦火に今なお苦しめられている人たちがいます。私も戦争の実体験はありませんが、遠い昔の出来事だと傍観していては、築いた平和は簡単に崩れ去ってしまう。竹中さんの投稿を読み、そんな焦燥感にも似た思いにかられました。

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