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鰻職人/緒方弘 極意は「火を食わせる」にあり! “鰻の神様”の職人魂

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「情熱大陸」に登場する緒方弘=MBS提供 拡大
「情熱大陸」に登場する緒方弘=MBS提供

 全国を食べ歩いた鰻好きが「日本一うまい」と称える福岡・小倉の「田舎庵」3代目店主・緒方弘がドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS製作著作/TBS系全国ネット、7月25日午後11時~)に登場する。緒方は “鰻の神様”とも言われる職人だ。

 30年かけてたどり着いた焼き方は実に独特で革新的。これでもかと言うほど串を打ちバタバタと何度も折り曲げる。さらには、熱々の鰻に冷水をぶっかけてしまう。

 しかし、目を疑うような手順で焼き上げた鰻は皮はパリッと香ばしく、身はふわっとやわらかい。折り曲げることで無数の裂け目を入れ、皮の下にあるゼラチン質を焼き切り、水をかけることで表面を焦がし過ぎずに中心までしっかり火を入れているのだ。

 緒方いわく“鰻に火を食わせる”調理法。「料理は科学」と語り出したら止まらない。

 今では全国から客が訪れ、著名人にもファンが多い。しかし名声に浮かれることもなく緒方は言った。

「昔の鰻はもっと美味しかった。最近の鰻はまずい」

 現在、市場に出回っている鰻の99%以上が養殖。近年は生産効率が追求され、天然鰻なら2~3年かかるところを、稚魚からわずか半年で出荷できるようになった。そして早く太らせるために、人工的に油を混ぜたエサが与えられている。緒方に言わせればこうして作られた養殖鰻の味は、かつて主流だった天然鰻とは比べものにならないという。

 今、養殖鰻の改革は緒方にとって大きなテーマ。足しげく養殖業者の元へ通い「天然に近い環境で、もっと美味しい養殖鰻を作ろう」と訴え続けている。

 そんな鰻職人の日常はどこまでもパワフルだ。店を出れば江戸時代から続く伝統漁に挑み、休日には体力づくりも兼ねてウインドサーフィンを始めた。聞くと「7歳の孫に自分の勇姿を見せつけたい」のだそうだ。

「鰻のためにできることは山ほどある。まだ富士山の5合目くらいかな」

 そう笑う74歳の溢れ出る鰻愛を垣間見た。

<プロフィル>緒方弘(おがた・ひろし) 1947年、福岡県生まれ。大学時代は1年間、世界中をヒッチハイクで旅して回った。卒業後は一般企業に就職。アメリカでの海外勤務を経て「田舎庵」3代目店主に。料理経験など全くない状態から独学で“日本一うまい蒲焼”を追い続けてきた。現在は長男、次男とともに店を切り盛りしている。

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