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「あいうえお順」で入場行進なのに米国が最終盤になったワケとは

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東京五輪の開会式で入場行進するアメリカの選手たち=国立競技場で2021年7月23日午後10時31分、梅村直承撮影 拡大
東京五輪の開会式で入場行進するアメリカの選手たち=国立競技場で2021年7月23日午後10時31分、梅村直承撮影

 23日に国立競技場で開催された東京オリンピック開会式で、入場行進は最初に五輪発祥国のギリシャ、最後を開催国の日本とし、その間の行進順は開催国の言語表記とする慣例に従って「50音順」だった。アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン――。ところが、「あ」から始まる米国は序盤ではなく最終盤で登場した。どういうことなのか。

 200を超える国・地域の選手が集まる入場行進は大会を通じて最も注目を集める場面の一つだ。1908年ロンドン五輪から各国・地域がその旗を先頭にして順番に進むいまの形式となった。選手団が着用する多彩な衣装を通じて文化を発信する側面もある。

 一方、開会式は84年ロサンゼルス五輪以降、放映権料とスポンサー収入を両輪とする「商業化路線」にかじを切ったことで、豪華な演出に拍車が掛かり、注目度が高まった。テレビ局にとって「ドル箱」だ。国際オリンピック委員会(IOC)によると、全世界へ配信が始まった2000年シドニー五輪以降、大会ごとの放映権料、放映時間は右肩上がりとなっている。16年リオデジャネイロ五輪までの4年間(13~16年)の放映権料41億5700万ドル(約4573億円)、放送時間7100時間はいずれもシドニー五輪の2倍強。開会式の視聴者は世界中で10億人とも言われる。

 新型コロナウイルスの影響で延期となった東京五輪も簡素化がうたわれたが、IOCは開会式に手を加えることは認めなかった。トーマス・バッハ会長は「開会式は開催国のショーケースで、形式は残すべきだ。(開会式で入場行進する)選手の体験も手を付けるべきではない」との主張を譲らなかった。背景には米放送大手NBCユニバーサルの存在がある。同社が支払う放映権料は、14年ソチ冬季五輪から32年ブリスベン五輪までの10大会で総額約120億3000万ドル(約1兆3000億円)に上る。

 入場行進を巡り、今回は今後の開催国が最終盤に登場する方式に変更された。最後の3カ国は28年ロサンゼルス五輪の米国、24年パリ五輪のフランス、そして開催国の日本。今後の開催国を引き立てる演出に見えるが、多額の放映権料を支払う米テレビ局の意向が働いたとされる。米国が早々と入場行進を終えたら視聴者がチャンネルを変える恐れがあるからだ。

 今回は8割以上の競技会場で無観客となり、映像の役割は一段と高まる。IOCによると、東京五輪で国際映像を供給する五輪放送サービス(OBS)は9000時間以上の映像を制作する計画だ。【倉沢仁志】

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