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本谷有希子さん 『あなたにオススメの』

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本谷有希子さん
本谷有希子さん

 ◆本谷有希子(もとや・ゆきこ)さん

 (講談社・1870円)

消費に追われる人間

 小説を「空気を保存するメディア」と表現する。「10年後の読者に(ニュースなどの)端的な言葉では伝えられない、今の空気を残せたらと思いながら書いています」

 収録された中編2作のうち、「推子(おしこ)のデフォルト」には、デジタル機器が生活の隅々まで浸透し、さまざまな価値基準が反転した近未来の子育てが描かれている。

 個人間の差異があらゆる不幸の元とされ、「ええ愛」(AI=人工知能)が人間の理想像となった社会。主人公の推子は「等質性教育」を売りにする人気保育園に娘を通わせ、アナログ志向のママ友が子育てに悩む姿を、エンターテインメントとして楽しんでいる。「我々は道具を手にすると、いとも簡単にその道具に迎合し、生活も思想も変容させてしまう。『人間らしさ』なんてないと思うんです」

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