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日本代表、難敵メキシコ戦へ 東京五輪初戦から見えた“3つのキーポイント”

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日本代表は25日のメキシコ戦へ [写真]=Getty Images 拡大
日本代表は25日のメキシコ戦へ [写真]=Getty Images
 東京オリンピック2020、男子サッカー競技の初戦となった南アフリカとの一戦は、言ってしまえば“初戦らしい”ゲームだった。

 いつも強気なプレーを見せるMF田中碧でさえ、「初戦に対する緊張感やプレッシャーがあったのは事実。普段出ないようなミスが出たところもあった。前半は少し僕も硬かった。少々置きに行ったプレーを心がけていたわけではないけど、していた感じもある」と、率直に認めるほどだった。

 個人的には、徹底して守りを固めている相手に対し、初戦の緊張もある中でリスクを避けて試合を進めたことがそれほど悪かったとは思わないが、何とももどかしい試合展開になってしまったことは確かだった。

 逆に言えば、“初戦らしさ”のなくなる第2戦は、また違った顔が観られそうだということでもある。ここでは初戦から見えた、次戦に向けての3つのキーポイントを挙げてみたい。

(1)どうなる冨安健洋。頼むぞ板倉滉

 初戦前日、非公開で行われていたトレーニングの中でDF冨安健洋が負傷するという何らかの「アクシデント」が起こったようである。足首の負傷と伝わっている。

「大会前から総力戦だという話はしていましたし、何かしらのアクシデントは起こるだろうと思っていましたけど、まさかしょっぱなで起こるとは思っていなかった」

 DF吉田麻也が苦笑交じりに振り返ったとおり、五輪年代で最も豊富なA代表経験を持ち、ヨーロッパのトップリーグで活躍を続ける長身CBがいきなり不在だったのは日本の選手たちにとっても衝撃だったようだ。もっとも、「その中で、代わりに入った滉が安定していました」と吉田が言うように、代役を務めた板倉が質の高いプレーを見せていたのは好材料だろう。

 第2戦前日のトレーニングでは、公開された範囲までは冨安は他の選手と同じメニューを消化。スプリントやラダーの練習も普通にこなし、ボールも蹴っていた。次戦いきなり帰って来るかはともかく、大会中の復帰は十分に可能なレベルのようである。不幸中の幸いと言うべきか。

(2)攻守の心臓たる遠藤航と田中碧

 日本の心臓となるのは田中碧と遠藤航のダブルボランチ。徹底して引いて守ってきた南アフリカに対しては田中もやりづらそうだったが、ボールを“狩る”力を持った選手たちが中盤中央にそろうメキシコとはある種の真っ向勝負になるだろう。

「やはり(メキシコの中盤は)奪う力が高いなというのはやっていた感じとしてもある。ただ逆に僕自身そこを剥がしてナンボの選手だと思っているし、剥がす力があると思っている」(田中)

 5バックで後方を固めてきた南アフリカよりも、日本の前線を活かしながら自分が一刺しを繰り出すイメージは持ちやすいようでもある。

「正直、5バックの方がやりにくさがありますし、前回の試合も始まったところで『面倒な相手だな』と感じていた。5バックに比べれば4バックの方が攻めやすいのはあるけど、その分攻められやすいところもある。そういう相手に対して、どこをついていくか、どこが空いているのかを見ながら、ポジショニングもそうですし、ボールを動かせれば必然的にチャンスは増えてくる」(田中)

 当たり前だが、中央に行ってばかりではボール奪取からのカウンターで玉砕するのは目に見えているので、サイドに振りながら中央に一刺しを狙う形となる。どうしてもボールロストすることもあるだろうが、そこは遠藤の真価が問われるところ。攻から守への切り替えとボール回収力、カウンター対応での活躍を期待したい。

(3)試合を運ぶのか、運ばないのか。それが問題だ

 第1戦を終えて、多くの選手から聞かれた課題が「1-0になってからのゲームの進め方」(GK谷晃生)である。2点目を取ってトドメを刺すのか、このまま終わらせにいくのかということである。

 よく言えば両にらみ、悪く言えばどっち付かずの試合運びになっていたところもあった。最後は1-0のまま終幕させることで意思統一できた印象だが、その少し前の時間帯では、谷が「前線はプレスへいっているのに、前の選手に対して後ろが遅れてしまうといった部分が少しあった」と振り返ったとおり、少しチグハグなところも出てしまっていた。

 試合の終盤は疲労という要素も出てくるので、交代で入ったフレッシュな攻撃の選手の意図と、疲れ切っている後方の選手の狙いがズレてしまうのもよくある話で、なおさら気を付けたい。またどうしてもビッグトーナメントは選手心理として色々なものも働くが、「1-0のリードした中での戦い方、賢く戦わないといけない」とFW上田綺世がしみじみ話したとおり、あらためて感情昂ぶる終盤にあっても共通理解をもって戦うことを徹底しておきたい。

 個人的にはそこも“初戦ゆえの”という部分があったと思うので過度の心配はしていないが、むしろメキシコの“試合運び”に気を付けたいところ。客観的に観れば、「開催国相手だし、引き分けでOKだろう。相手が無理して攻めてくるならカウンターで一発入れちゃろう」といったバランス設定で来る可能性が最も高い。

 仮に試合終盤まで同点で試合が推移したようなケースにおいては、リスクを取って勝ちにいくより、ノーリスクの引き分けを選ぶ大人の判断もありかもしれない。この大会の目標はメキシコに勝つことではなく、できるだけ良い色のメダルを持ち帰ることなのだから。

取材・文=川端暁彦

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