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伊能忠敬とその測量隊による「大日本沿海輿地(よち)全図」が江戸幕府に上程され今年で200年。その日付が文政4年7月10日(1821年8月7日)だったこともあり、今月、伊能図を巡るシンポジウムと講演会が相次いで開かれた。
「伊能図の魅力を科学する!」と題されたシンポジウムが開かれたのは、忠敬が事業家として活躍した千葉県香取市の佐原の地。17日午後、同市佐原文化会館と特別展「伊能忠敬」を開催中の神戸市立博物館をオンラインで結び、最新の研究成果が発表された。
シンポの核となったのが、徳島大の平井松午名誉教授が率いる「伊能図の成立過程に関する学際的研究」。主に最終版の完成前の伊能図をもとに、作製や編集の過程に迫ろうという試みだ。大谷亮吉著『伊能忠敬』(1917年)、そして保柳睦美編著『伊能忠敬の科学的業績』(74年)という伊能研究のバイブル2冊が刊行されて以降、地図学的な側面にあまり光が当てられていなかった中、貴重な取り組みといえる。
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