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英月の極楽シネマ

京都の大行寺で住職を務める英月さんが仏教の次に大好きな映画について紹介する。

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英月の極楽シネマ

映画 太陽の子(2021年、日本・米国) 過去のいのちが今を支える

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 第二次世界大戦中、日本でも進められていた「原子核爆弾」の開発という事実を基に、若き科学者たちの青春群像が描かれます。舞台は京都帝国大学理学部。兵器を作ることに疑問を持つ学生たちに、教授(國村隼)は世界を変えるために科学をすると語ります。核爆弾を先に作った者が世界の運命を決めるという厳しい現実の中、そこには戦いに勝つという意味にとどまらない平和への願いが込められていました。その目に映っていたのは、若者たちの未来だったのです。

 そんな中、学生の一人、石村修(柳楽優弥)の自宅離れに、家を失った幼なじみの世津(有村架純)が引っ越してきます。時を同じくして陸軍の下士官として戦地にいた弟・裕之(三浦春馬)も肺病治療のため一時帰宅します。研究者と軍人、それぞれの立場で戦争に向き合う兄弟。日本の勝利という目の前にある共通の目的にとらわれている2人に世津は「勝っても負けてもいい。戦争が早く終わればいい」と言います。彼女もまた、未来を…

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