江ノ電 勝手踏切なぜ多い 小学生がはねられる事故も 歴史も背景に

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江ノ電沿線に住む小野優治さん。自宅玄関から1メートル先に線路がある=神奈川県鎌倉市坂ノ下で2021年5月6日、洪玟香撮影
江ノ電沿線に住む小野優治さん。自宅玄関から1メートル先に線路がある=神奈川県鎌倉市坂ノ下で2021年5月6日、洪玟香撮影

 神奈川県鎌倉市で4月、江ノ島電鉄(本社・同県藤沢市)の線路を横断しようとした小学生が電車にはねられ、一時意識不明の重体に陥る事故が起きた。現場は遮断機や警報機のない「勝手踏切」と呼ばれる横断箇所の近く。江ノ電にはこうした勝手踏切が89カ所あり、たびたび事故が起きている。なぜ危険な勝手踏切が存在し続けているのか。取材してみると、あまり知られていない歴史が背景にあることが分かった。

 事故は4月26日朝に発生した。県警鎌倉署によると、近くに住む小学3年の女児が、稲村ケ崎―極楽寺間を時速35キロで走行中の藤沢発鎌倉行き普通電車(4両)にはねられ、頭などを強打した。女児は母親と一緒に線路の先にあるごみの集積所に行き、ごみを出した後、「先に帰る」と告げて帰りは1人で横断したという。現場に踏切はなく、赤い字で「危険」と書かれた鉄柵が設置してあるだけだった。

 30年以上前から江ノ電沿線に住む小野優治さん(66)は「被害に遭ったのは足腰が弱くて線路に取り残された高齢者ではなく、しっかりしている女の子。今後も沿線住民の高齢化は進み、自分も含めこのような事故が起きる危険性を考えると怖くてたまらない」と話す。

 江ノ電によると、2007年に稲村ケ崎駅近くで起きた人身事故を受け、こうした勝手踏切は扉や防護柵を設けて閉鎖して減らしているものの、…

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