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鉄道向け空調機器などの検査不正が明らかになった三菱電機は、新たに就任した漆間啓社長の下で再生を目指すことになった。35年以上にわたって不正が続いた原因の究明と再発防止策の策定を急ぐが、1週間前にも新たな品質不正が判明したばかり。新体制で内向きな企業体質を根本から改革できるかが問われる。【井川諒太郎】
新トップは前社長支えたナンバー2
「危急存亡のときに直面している。私が先頭に立ち、経営刷新と信頼回復に全力を挙げていく」。東京都内で28日に記者会見した漆間氏は「変革」という言葉を繰り返し、社内風土の抜本的な改善を目指す考えを示した。
ただ、漆間氏は杉山武史前社長を「ナンバー2」として支え、社会システム事業本部長という鉄道向け機器の責任者を務めるなど、結果として一連の不正を見逃してきた人物。記者会見では社長就任を疑問視する質問が相次いだが、指名委員長の藪中三十二氏は「品質管理の問題を調査するには現場に精通した人間でなければならないと判断した」と説明。社外からの起用を本格的に検討することもなかったという。
漆間氏は「(自身も)問題を発見できなかったことは重く受け止めている。(社長就任を)受けるべきか逡巡(しゅんじゅん)した」と明かしたが、最終的には「身を粉にして真剣に取り組む必要があると決断した」という。
同社は7月2日付で外部弁護士が率いる調査委員会を設置。企業統治や品質問題の専門家も交え、全従業員へのアンケートなどを通じて一連の問題の解明を急ぐ。9月には調査結果と再発防止策…
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