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沖縄「復帰50年」の群像

沖縄が日本本土に復帰して2022年5月で50年。本土とは異なった戦後史を刻んでいる沖縄の「いま」を考えます。

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沖縄「復帰50年」の群像

沖縄は沖縄であっていい 「ウチナーヤマトグチ」に見えた答え

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右奥に普天間飛行場、左奥は沖縄戦で米軍が上陸した海岸線=2017年2月4日、藤原健撮影
右奥に普天間飛行場、左奥は沖縄戦で米軍が上陸した海岸線=2017年2月4日、藤原健撮影

 まーちゃんが小学生から中学生にかけての一時期、お笑い劇のような出来事があって家からテレビが消えた。大学で商業簿記を教えたこともある父親がその震源地。

 悩める人の相談に乗り、信心深いクリスチャンでもあり、何十年とラジオのドイツ語初級講座を聴き続けた(にもかかわらず、上達しない)、何事にも多情多感な人だが、ある日、飼い犬が庭を掘り返していたことになぜか激怒。そのとき、たまたま、まーちゃんの姉がテレビを見ていたことにも八つ当たりし、「どうして犬をほったらかしにしているか」と、いきなりテレビを投げ捨ててしまった。以後、ラジオを聴くことが習慣になった。これが、まーちゃんに一つの道を歩ませるきっかけになろうとは、本人も、激発した父親も、想像すらできない。

 沖縄のローカル局が平日に流していた「ラジゲリラ」という番組があった。登場人物が繰り出す言葉は、標準語と沖縄言葉が交じったウチナーヤマトグチ。ウチナーンチュ(沖縄の人)の普段使う言葉と、そのままのイントネーションだ。沖縄言葉なんか不良が使う言葉さ、恥ずかしいよ。ちゃんとした標準語を使いなさい。子ども時代にこう言われて育ったのに、ラジオは堂々と流している。

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