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「最期」のとき

「大槌町役場職員・東日本大震災津波犠牲職員状況調査報告書」。生還職員ら56人の証言で、犠牲になった職員ら38人の詳細な死亡状況が初めて公文書に記されました。今を、将来を、生きる人々に、震災の何を忘れないで、どのように伝え、備えるのか。「最期のとき」から考えます。

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「最期」のとき

東日本大震災・大槌/下 報告書、被害拡大の背景に迫る 自らを守り地域防災を /岩手

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高校生らと津波避難訓練の準備をする大槌町源水自治会(自主防災会)の越田由美子さん(中央)=岩手県大槌町大槌で2020年11月7日、中尾卓英撮影
高校生らと津波避難訓練の準備をする大槌町源水自治会(自主防災会)の越田由美子さん(中央)=岩手県大槌町大槌で2020年11月7日、中尾卓英撮影

 東日本大震災で大槌町役場庁舎前で災害対策本部業務にあたったり、出張先から戻ろうとしたりして津波にのまれた当時の町長と職員ら38人の「最期のとき」を解明した報告書。調査員の佐藤孝雄さん(55)は生還職員ら56人の証言から、震災検証などで指摘されてきた「過去の津波浸水域に立地した庁舎前で、津波襲来を予想できないまま災対本部を構え続けた危機意識の欠如」の背景に迫った。

 死亡状況調査の聞き取りで、平野公三町長は当時の防災実務責任者として、大規模地震(津波災害)では災対本部を高台の中央公民館に設置すると記された職員防災手帳が「大槌町の実情と合ったものかなど議論しないまま作成され血肉になっていなかった」「町長らに危機意識を持って避難指示につながる情報を上げることができなかった」などと証言した。

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