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本屋プラグのためにならない読書

2017年、和歌山市万町にオープンした「まちの本屋さん」。お勧めの本や映画などを紹介してもらいます。

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/4 児童文学の枠超え、読む喜び /和歌山

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児童文学作家の那須正幹さん=山口県防府市で2021年6月9日、平川義之撮影
児童文学作家の那須正幹さん=山口県防府市で2021年6月9日、平川義之撮影

ズッコケ文化祭事件(作・那須正幹 絵・前川かずお ポプラ社)

 22日、児童文学作家の那須正幹さんが79歳で亡くなられた。訃報に際してというのは非常に残念ではあるものの、那須さんの功績、素晴らしい作品の数々に改めて触れる人が増えることを願う。

 稲穂県ミドリ市に暮らす小学6年生、ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人が活躍する「ズッコケ三人組」。日本を代表する児童文学シリーズとして知られる一方、一部の保守的な人々からは「内容が児童文学らしくない」との批判もあった。そうした批判への那須さんからのウイットに富んだ回答が『ズッコケ文化祭事件』だ。

 ハチベエたち6年1組は、文化祭で演じる劇の脚本を童話作家に依頼する。しかし、できたものは魔王にさらわれた母親を3兄弟が勇気と知恵で助け出す「仲良しきょうだいとトンカチ山の大魔王」というお話で、児童たちからすれば、「幼稚園の劇みたい」で「つまらない」。そこでクラス全員でアイデアを出し合い、土地の権利を巡って地上げ屋に誘拐された父親を3人の娘が救い出すアクション劇「アタック3・極道編」に改編してしま…

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