特集

東京オリンピック

東京オリンピックに関する特集ページです。

特集一覧

五輪陸上男子100m 元代表が語る日本勢に立ちはだかる「壁」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
シドニー五輪陸上男子100メートル1次予選を通過した伊東浩司=平野幸久撮影
シドニー五輪陸上男子100メートル1次予選を通過した伊東浩司=平野幸久撮影

 オリンピックの陸上男子100メートルの歴史の中で、日本勢が決勝に進んだのは過去1度しかない。1932年ロサンゼルス五輪で「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳(たかよし)(故人)が6位に入賞した時だけだ。なぜファイナリスト(決勝進出者)にたどりつけないのか。今回の東京オリンピックの日本勢はどうなのか。過去、準決勝で敗れた元日本代表の2人の証言から探った。31日から予選が始まる。【荻野公一】

 2000年シドニー五輪。男子100メートルの準決勝に進んだ伊東浩司さん(51)は、レース前、スタートリストを見て心が揺れ動いていた。

 そこには、名前とそれぞれの自己記録が並んでいた。伊東さんの欄は「10・00」。10秒00。当時の日本記録だ。だが、他の選手は軒並み9秒台で「9・〇〇」と記載されている。10秒台だと4桁。9秒台だと3桁。この1桁の違いが、リストには一目瞭然、凹凸となって表れる。リストを見て勝手に自分の順位を付けていた。

 結局、準決勝のタイムは10秒39。「ジョギングシューズでも走れたかなと思うタイム」に終わった。

 「100メートルはメンタルで、技術は関係ない」と伊東さんは言い切る。

 子どものころからそうだった。試合会場では「50メートル、何秒?」と周りの選手に聞き、自分より遅ければ安堵(あんど)し、速ければ不安になった。「勝ちたい、勝てると思った時の体の操作と、ちょっと難しいなと思う時の体の操作は全然違う」

 シドニー五輪の準決勝でもレース前に他の選手のタイムをみて不安になり、心のどこかで号砲に集中できなかった。そして――。出遅れた。「勝負以前のところで勝負がほぼ決まっていた」

 1964年の東京五輪の陸上100メートルの準決勝で敗れた飯島秀雄さん(77)も、やはり精神面の重要さを説く。

 当時は…

この記事は有料記事です。

残り636文字(全文1392文字)

【東京オリンピック】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集