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『毒姫の棺』=壇蜜

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 訳あって親元から離された子女たちは、とある館で暗殺者になるために育成される……。漫画『毒姫』(三原ミツカズ著・朝日新聞出版・全5巻 現在は電子版のみ。書籍は『毒姫 愛蔵版』上・下巻=各1980円=が発売中)はフィクションだが、本当にこういう組織があったんじゃないかと思わせるような物語だ。寝具や衣類、食事に毒草や薬物を染み込ませたり含ませたりして、徐々に毒に体を慣れさせる。赤子が成長するまでに体中が毒と融合し、血液や体液、涙ですら毒物になる。館の子女は「元毒姫」の老婆により皆美しく育てられ、寵姫(ちょうき)兼暗殺者の任務を待つ。時間をかけた生物兵器を作る館で、主人公リコリスは成長する。

 皆が毒姫になれるわけではない。体内に入る毒に耐えられず、命を落とす者もいる。リコリスも幼い頃は毒に慣れにくい体を持ち、周囲から嘲笑されていた。館では毒に耐性がある娘ほど優等生なのだ。しかし、年ごろになった泣き虫リコリスに、とある国の王を暗殺せよと指令が下る。

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