横溝正史、新発見書簡 「トリックの鬼」執念 乾信一郎へ 創作の裏側や苦悩つづる くまもと文学・歴史館

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金田一耕助シリーズの映画化ポスターなどが展示されている会場=上村里花撮影
金田一耕助シリーズの映画化ポスターなどが展示されている会場=上村里花撮影

 <土曜カルチャー>

ポスターなどと合わせ132点展示

 日本を代表する推理作家、横溝正史(せいし)(1902~81年)が、熊本県出身の作家で翻訳家の乾(いぬい)信一郎(06~2000年)に宛てた49~79年の書簡240通が昨年、熊本市のくまもと文学・歴史館で見つかった(昨年9月12日既報)。同館はこのほか乾の生前に寄贈された45~48年の書簡32通も所蔵しており、これらを中心とした横溝正史展を開催中だ。書簡に加え、金田一耕助シリーズの生原稿や映画のポスター、遺品など前後期合わせて計132点を展示している。

 2人の関係は、乾が青山学院大在学中、横溝が編集長を務めていた雑誌『新青年』に投稿したのがきっかけで始まった。乾は卒業後、同誌の出版元の博文館に入社。同誌編集部に配属され、後には編集長も務めた。『新青年』は江戸川乱歩ら多くの推理作家を輩出したことで有名で、乾は自分を見いだしてくれた横溝に感謝し、終生、交流を続けた。横溝もまた、病気療養中に乾から勧められて執筆した捕物帳がヒットし、恩義を感じていた。…

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