「ガラパゴス」評価も洗い流す ウォシュレット、世界が注目のワケ

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自動でふたが開閉したり、お湯を瞬時に沸かしてお尻を洗ったりする高級型のウォシュレット=TOTO提供
自動でふたが開閉したり、お湯を瞬時に沸かしてお尻を洗ったりする高級型のウォシュレット=TOTO提供

 TOTO(北九州市)の温水洗浄便座「ウォシュレット」が米国や中国で売れ行きを伸ばしている。「ガラパゴス製品」と言われ、海外で普及してこなかったウォシュレットに、世界はなぜ目を向け始めたのか。

クールジャパンに世界が興奮

 「オーマイガー!」。東京オリンピックの競泳のニュージーランド代表、ルイス・クレアバート選手は宿泊先の温水洗浄便座をチェックする様子を動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」にアップ。ノズルから飛び出す水に驚き、周囲にいた仲間と歓声を上げて喜ぶ瞬間を公開している。

 五輪の仕事で来日した米紙USAトゥデーのアレックスさんは羽田空港でのトイレ体験をツイッターに投稿。排せつ音を隠すために流水音を流す「機械の気遣い」に、「衝撃を受けた!」と記し、写真も掲載して「東京で最もクールなのはトイレだ」と絶賛。リプライ欄には日本人による「ウエルカム」メッセージも数多く投稿されており、「日本では普通の光景です」「自動的にふたが開くトイレに出くわすかもしれませんよ」などと、アレックスさんに向けた英語の書き込みがあふれている。

 ウォシュレットはTOTOの商標で、LIXILの「シャワートイレ」など他社製品も含めた一般名称は「温水洗浄便座」。内閣府の消費動向調査によると、温水洗浄便座の普及率は1992年の約14%から2020年は80・2%にまで上昇。いまや日本人のお尻に欠かせない設備になっている。

海外では苦戦続き

 一方、海外はTOTOが主要市場と位置づける米中でも苦戦が続いており、普及率は米国で1割程度、中国で5%程度といわれる。

 もともとウォシュレットの原形は、痔(じ)で悩む人のために米国で作られた医療機器だった。TOTOの前身の東洋陶器が60年代に輸入を始めたが、不具合が多かったことから自社開発に切り替えて80年に初代ウォシュレットを販売…

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