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東京五輪の前半戦 無観客でも伝わった健闘

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 東京オリンピックは開幕から1週間が過ぎ、後半戦に入った。

 原則無観客での開催となった上、新型コロナウイルスの感染対策で選手や関係者の行動が厳しく管理される異例ずくめの大会だ。

 外国勢は日本での事前キャンプが中止となった例も多く、大会前の調整が難しかった。ストレスから不調を訴え、試合を棄権した米国の女子体操選手もいる。

 日本勢は過去の大会を上回るペースでメダルを獲得しているが、決して圧勝ばかりではない。国内の選手もコロナ下の不自由な環境で1年間を過ごしてきた。

 将来の五輪像を垣間見るシーンもあった。日本の若者の活躍で、注目を浴びた新競技だ。

 スケートボードでは、ストリート種目の男子で22歳の堀米雄斗選手が優勝した。女子は13歳の西矢椛(もみじ)選手が日本の五輪史上最年少の金メダリストになった。

 サーフィンでも23歳の五十嵐カノア選手、20歳の都筑有夢路(あむろ)選手がそれぞれ表彰台に立った。

 「遊び」の要素が強いと考えられてきたスポーツだ。選手の多くは10代から国際大会を転戦するグローバルな競技者であり、五輪の場でも仲間と勝負を楽しむ自由な雰囲気を感じさせた。

 従来競技でも世界的に活動する選手が増えている。国を背負って戦うような重圧感は今後薄れていくだろう。

 酷暑の問題も浮き彫りになった。招致時の立候補ファイルで、日本側は「温暖」で「理想的な気候」とアピールしたが、テニスでは選手から苦情が出て、競技の開始を午後3時に遅らせた。「選手第一」を掲げるなら、大会前に判断すべきだった。

 大半の競技が無観客となったことで、今のところ、会場周辺では大きな人の流れを生まずに済んでいる。有観客なら市中に人があふれ、感染状況をさらに悪化させていたかもしれない。

 札幌で行われるマラソンや競歩でも沿道の人出が増えないよう、注意喚起が必要だ。テレビ観戦でも選手の健闘ぶりは十分伝わる。

 感染は急拡大している。海外の関係者は入国後14日間が過ぎると、公共交通機関を利用できるようになる。引き続き感染防止のルールを徹底しなければならない。

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