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松尾貴史のちょっと違和感

放送タレント・松尾貴史さんのコラム。テレビから政治まで、「違和感」のある話題を取り上げます。

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松尾貴史のちょっと違和感

東京五輪開会式 文化・歴史を羅列したという印象

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松尾貴史さん作
松尾貴史さん作

 「憲法に緊急事態条項がないから感染症対策ができない」などと、詐欺的な話法でその必要性を主張していた人たちは、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下でも東京オリンピックは開けるという矛盾をどう説明するのだろうか。

 開会式の評価は賛否が分かれているようで「意外と良かった」という反応もあるが、ビートたけしさん、デーブ・スペクターさんら酷評する人も多い。どの都市で開催される大会もそうなのだろうが、当地やその国の誇れる文化や歴史を披露するのは当然の演出だろうけれど、今回の開会式はそういうアイテムを羅列してみました、という印象が残った。材木の作業をしている江戸時代の職人らがタップダンスを踊るという場面は、北野武監督作品の「座頭市」のラストの大団円的シーンに似ている。たけしさんは関わっていないのだろうけれど、不思議な気分になった。

 入場の楽曲は、世界中でヒットしたゲームの音楽で「LGBTには生産性がない」という政治家の妄言を「正論だ」と持ち上げていた人の作曲だが、そのことは話題にならなかったようだ。飲酒トラブルで暴力事件に関わり、大けがをした人物も大見えを切っていた。過去の事柄を問題視されて開会式の関係者から外れた人は何人もいるが、この線引きはどこにあるのだろうか。

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