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「エイン」は2006年の、日本映画学校(現・日本映画大学)第18期卒業制作として撮られた短編映画だ。「ガイジン」扱いされる日本での生活に嫌気がさし、帰国を望むミャンマー人の少年が主人公。
少年は周囲の好奇の目にいら立ち、級友の無邪気な関心や親切心すら攻撃と受け取ってしまう。「見下されたくない」とかたくなになり、学校でも家庭でも衝突する。思春期の少年らしい過敏さと均質な日本社会での居心地の悪さがあいまった心情が、みずみずしく表現されている。日本の映画にはなかった視点で、社会を少数派の側から映し出す。異質な相手を受け入れようという素朴なメッセージが伝わり、学生映画とはいえ、なかなかの秀作だ。
監督は、在日ミャンマー人のモンティンダン。「エイン」には自身を反映したそうで、日本とミャンマーへの複雑な思いがうかがえる。その彼はいま、ミャンマーで拘束されて自由を奪われている。2月に軍がクーデターで政権を奪った後、反軍政デモに資金提供したとされる。7月下旬、日本映画大学で特別授業として支援上映会が開かれた。
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