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イランで5日、国際協調路線のロウハニ大統領に代わって、反米保守強硬派のライシ師が大統領に就任する。新政権も核合意正常化に向けた交渉を続けるが、強気の外交姿勢に出た場合は交渉難航も予想される。そもそも2015年に米英仏独露中との間で結ばれた核合意の狙いは「イランに核兵器を持たせない」ことだった。イラン側は核開発を進めつつ「核兵器製造の意図はない」としているが、本当だろうか。地元研究者らに核不要論について聞くと、「三つの理由」が返ってきた。
15年に結ばれた核合意は、イランが核開発を制限する見返りに欧米が経済制裁を緩和するという内容だった。しかしトランプ前米政権はこれを不十分とみて18年に離脱し、制裁を強化。イランも対抗し、その後は合意で定められたウラン濃縮度の上限を超える濃縮活動を始めた。
こうした中、核兵器不要論の根拠をイランの専門家はどう考えるのか。
まず「イスラムの教えに背く」との理由が挙げられる。最高指導者ハメネイ師直属の精鋭軍事組織・革命防衛隊の元幹部で政治アナリストのホセイン・カナニモガダム氏は「イランでは最高指導者が核兵器の開発・使用を禁じている。イスラムの教えに背くからだ」と話す。確かにハメネイ師や政府高官は繰り返しこの説明をしている。19年6月にイランを訪問した安倍晋三首相(当時)との会談でもハメネイ師は「核兵器には反対。宗教令(ファトワ)で製造は禁止されている」と語った。
さらにカナニモガダム氏は…
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