高齢者3億人の巨大市場 「老いる中国」の弱点は

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介護施設のロビーでくつろぐ入居者ら=北京市内で2021年6月25日午後3時2分、小倉祥徳撮影
介護施設のロビーでくつろぐ入居者ら=北京市内で2021年6月25日午後3時2分、小倉祥徳撮影

 急速に高齢化が進む中国。60歳以上の人口は2025年までに3億人に達する見通しで、関連ビジネスに参入する企業も相次いでいる。巨大市場に死角はないのか。取材すると、「老いる中国」の弱点が見えてきた。

豪華な介護施設

 北京市中心部にある高齢者介護施設。ピアノやソファ、背の高い書棚が置かれ、高級ホテルを思わせる吹き抜けの1階ロビーでは、午後3時過ぎになると、昼寝を終えた入居者が続々と集まって談笑したり、介護人に付き添われて車椅子で散歩したりし始めた。2階には食堂や読書室、ダンスができる運動ルームのほか、トレーニング設備やマージャン卓、ビリヤード台などもそろう。「食事のメニューは日替わりで栄養バランスも良いです。高齢者の部屋の家具は角をなくしてけがをしないよう工夫していますし、洗面台などは日本製ですよ」。施設内を案内してくれた男性職員は、サービスや設備の充実ぶりを強調した。

 ここは中国の保険会社グループが開業した施設で、入居費用は最低でも月約1万8000元(約30万円)かかる。このほか5万元の保証金も必要だ。関係者によると、入居者は現在130人ほどで、元大学教授や元政府幹部、元医師など、手厚い年金を得られる人や富裕層が多いという。

「高齢者タウン」も建設中

 中国には現在、要介護の高齢者が4000万人以上いるとされており、介護施設運営には近年、保険会社のほか不動産会社などが参入している。

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