連載

デジタルを問う 欧州からの報告

欧州では人権や民主主義の視点でデジタルテクノロジーのあり方を問い直す動きがあります。現場から報告します。

連載一覧

デジタルを問う 欧州からの報告

GAFAのどこが問題? 世界最強のプライバシー保護活動家に聞く

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
オーストリアのプライバシー保護活動家、マックス・シュレムス氏=ウィーンで2020年7月、ロイター
オーストリアのプライバシー保護活動家、マックス・シュレムス氏=ウィーンで2020年7月、ロイター

 「デジタルとプライバシー」の問題に私たちはどう向き合うべきか。欧州の法律を武器に米巨大IT企業群「GAFA」と渡り合うオーストリアの弁護士で、世界で最も影響力のあるプライバシー保護活動家として知られるマックス・シュレムス氏(33)に聞いた。【聞き手・ブリュッセル岩佐淳士】

無数の企業に共有される個人データ

――多くのウェブサイトやアプリを介して私たちのデータが収集され、プロファイリングされています。

 ◆現時点で大半のサイトやアプリが、(利用者に対しデータの使用に明確な同意を得ないなど)欧州の一般データ保護規則(GDPR)に違反する形で個人データの収集、提供を行っているのではないかと思います。企業は(ターゲティング)広告などでお金をもうけるためにデータを収集していますが、それは不必要なことだと思います。例えば、車の記事を読む人に車の広告を見せるなど、サイトやアプリの内容に関連した広告を配信するやり方もあります。そうすれば、利用者の個人データや行動履歴などを追跡する必要はありません。

 (個人データの第三者企業への送信を巡り、1月にノルウェーのデータ保護当局からGDPR違反を指摘された)同性愛者向けマッチングアプリ「グラインダー(Grinder)」のケースでは、(性的指向などを示唆する)極めて取り扱いに注意が必要な情報を多くの第三者企業と共有していました。

 サイトやアプリを通じ、あなたの情報は無数の企業に共有されていて、どこにどんな情報が送られているのかは誰にも把握しきれません。

 米軍がイスラム教徒の礼拝用アプリの運営企業から利用者のデータを買い、ドローンによるテロ容疑者の殺害に利用している疑いがあるとの報道もあります。つまり、あなたが携帯電話にそのアプリをインストールすれば、間接的にあなたはドローン攻撃のた…

この記事は有料記事です。

残り3452文字(全文4215文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集