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ろう者「字幕では面白さ半減」 五輪開会式放送、なぜ手話通訳なし?

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無観客で行われた東京オリンピックの開会式=国立競技場で2021年7月23日午後11時25分、佐々木順一撮影
無観客で行われた東京オリンピックの開会式=国立競技場で2021年7月23日午後11時25分、佐々木順一撮影

 先月23日の東京オリンピック開会式では、無観客の会場のスクリーンに手話通訳が映し出された一方、国内のテレビ放送では手話通訳がなかった。NPOなどの指摘を受け、NHKは閉会式(8日)の生放送では一転、手話通訳をつけることになった。東京五輪は「多様性と調和」などを理念に掲げているが、なぜ手話通訳がなかったのか。「字幕ではタイムラグがあるので面白さも半減でした」。開会式のテレビ中継を自宅で見た、ろうの伊藤芳浩さん(50)はこう話す。伊藤さんは、聴覚障害者の情報格差の解消に取り組むNPO法人「インフォメーションギャップバスター」の理事長。テレビでは手話通訳がなかったため、テレビの字幕機能を使ったが、画面に文字が表示されるまでに時間差がある。字幕が表示される前に次の演出に移ることも多く、楽しめなかったという。

 「字幕があれば手話通訳がなくても問題ないのでは」と思われがちだが、手話は日本語と文法体系が異なり、聴覚障害者の中には字幕を理解するのが難しい人もいる。手話は福祉サービスではなく、ろう者にとっては命を守る大事な言語と位置づけられている。

 伊藤さんは翌日の先月24日、政府やNHK、民放連などに対して、五輪・パラリンピックの開会式、閉会式では手話通訳を放送するよう求める要望書を提出した。「聞こえない、聞こえにくい参加者や視聴者を含む全ての人々がともにスポーツの価値を享受できるようにしてほしい」としている。全日本ろうあ連盟も、同様の要望書を先月22日に大会組織委員会などに提出している。

 「手話通訳不在」だった五輪開会式のテレビ放送は、聴覚障害者らにとっては不評だったが、実は国立競技場のスクリーンには手話通訳が映し出さ…

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