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五輪選手の活躍はすごいが チャラにできぬ失態 立川談四楼さん

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東京オリンピック開会式の日に落語会を開いた立川談四楼さん=東京都内で2021年7月23日午後7時44分、渡部直樹撮影
東京オリンピック開会式の日に落語会を開いた立川談四楼さん=東京都内で2021年7月23日午後7時44分、渡部直樹撮影

 コロナ禍が拡大するなか、東京オリンピックが開催中だ。開幕直前までトラブルが相次ぎ、大会への賛否も真っ二つに割れたままで突入。もやもやしたままメダルラッシュが続く祭典を、“発言する落語家”立川談四楼さん(70)はどう見ているのか。「選手の活躍はすごい」とたたえながら、五輪やコロナの感染対策を巡る菅義偉首相らの失態を「それとこれとは別。チャラにはできません」とぴしゃりと言う。【大野友嘉子/デジタル報道センター】

開会式の夜にあえて落語会

 五輪の開会式が行われた7月23日の午後7時過ぎ。

 「ひとたび(五輪が)始まって、金メダルラッシュとなるとすぐに熱狂し、それまでのスキャンダルなんか忘れてしまうだろうと、まあ、菅さんなんかも思っているでしょうけど、どうですかね」

 「今回は違う気がするんですね。見ない人は徹底的に見ない。私なんかは悪く言うためにチェックはしようと。つい感動して泣いてしまうかもしれませんが。こういう心情を見透かしているんですよ。統計が出てるんですかね。相当やらかしてもメダルラッシュでもってチャラになると……」

 談四楼さんは東京都内のイベントスペースで高座に上がると、つかみの“まくら”で、数十分後に開幕する五輪を皮肉った。

 会場入り口で手指の消毒が行われ、せきエチケットなどを呼び掛けられた客たちはマスクをしながら楽しんだ。

 談四楼さんは2カ月に1度、この会場で落語会を開いている。たまたま7月が開催月だったことから、開会式の日にあえてぶつけたという。「どうせなら開会式当日にやったら面白かろうと。(五輪が)中止になればたくさんのお客さんが来るかもしれないし、強行されたらみんなテレビを見るだろうから、ごく少ない人数で共に落胆しようと」。五輪に真っ向勝負を挑む気概を感じた。

安倍前首相は「嗅覚だけはいい」

 おおらかな雰囲気をまといながらも、返す刀で開会式を欠席した安倍晋三前首相も批判。「そもそも安倍さんから始まっているんですよ、この五輪は。(招致の演説で東京電力福島第1原発事故の状況は)『アンダーコントロール』と言ったうそから始まった。嗅覚だけはいい人ですから。開会式でヘラヘラ笑っているのが(テレビに)映るとまずいという判断が働いたんでしょうね」。深くうなずく客の姿があちこちに見えた。客も談四楼さんが言う「へそ曲がり」が多いようだ。

 “まくら”の後、演目の「三年目」「もう半分」の2席を終えると、時刻は午後8時10分。開会式は既に始まっている。「世間が開会式に沸き立っているなか、お越しくださったご恩を忘れません」。談四楼さんは客に向かって頭を下げた。

金なのに喜びを表せない選手も

 開会式から5日後の7月28日などに、談四楼さんに五輪への思いをインタビューした。

 28日時点ですでに柔道、卓球、スケートボードなどの競技で日本勢のメダルラッシュが連日報じられる一方、27日には東京都の新規感染者が2848人と過去最多を記録していた。

 「この状況は選手ですら、喜びを素直に表すことをためらわせるものがあります。柔道男子66キロ級の阿部一二三さんは(金メダルが決まっても)表情を変えずに喜びをこらえました。コロナのせいで選手を普通にたたえたくても、た…

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