特集

東京オリンピック

東京オリンピックに関する特集ページです。

特集一覧

「五輪はゴールじゃない」 お膝元の街に広がった葛藤と決意

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
津田塾大学の学生たちと曽根原登教授(右端)。手前にあるのは梅五輪プロジェクトで作った英語のパンフレットや地図、福井県鯖江市などの連携自治体と作った特産品=東京都渋谷区千駄ケ谷で2021年7月13日午後2時20分、松倉佑輔撮影
津田塾大学の学生たちと曽根原登教授(右端)。手前にあるのは梅五輪プロジェクトで作った英語のパンフレットや地図、福井県鯖江市などの連携自治体と作った特産品=東京都渋谷区千駄ケ谷で2021年7月13日午後2時20分、松倉佑輔撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大にほんろうされた末に、何とか開催にこぎつけた東京オリンピック。アスリートの熱戦が続いたが、本来なら大きな歓声に包まれたはずの競技会場は無観客となり空席が目立った。五輪フィーバーを期待したであろう地元の街も、人通りはまばらだ。この地で暮らす人たちは、間もなく幕が閉じる五輪にどう臨んだのか。そして今後をどう展望しているのか。【松倉佑輔/デジタル報道センター】

バーチャル世界で街を紹介

 開会式まであと7時間に迫った7月23日午後1時。国立競技場や東京体育館を抱える千駄ケ谷地域を起点にして、日本の文化に触れるイベントが始まった。

 この企画、ツアーと銘打たれているが舞台は緊急事態宣言下にある現実の東京ではない。インターネットを使った「バーチャルオリンピックツアー」(https://cluster.mu/w/4186160e-a404-49b3-ae08-c830b9272ad0)だ。

 アバター(分身)を画面上で操作し、仮想のJR千駄ケ谷駅を出発して街を自由に歩き回る。将棋会館に入ってみた。普段は見ることができない対局室が目の前に広がる。バックでは、パチッ、パチリと駒を打つ音が響く。実際に会館で録音しただけあって、バーチャルリアリティー(VR)の臨場感は高い。

 イベントには日本茶の文化などを紹介するコーナーもある。五輪と同じく、8月8日まで開かれている。

 イベントを企画、運営するのは津田塾大学の千駄ケ谷キャンパスに通う現役学生たちによる「梅五輪プロジェクト」だ。千駄ケ谷キャンパスは2017年4月、学部生の受け入れを始めたばかり。着任した曽根原登教授(工学)が「新しく学生を受け入れて、せっかく五輪もあるので記念に残ることをしたい」と考え、大学の創立者で日本の女子教育のパイオニアである津田梅子にちなんだ冠のプロジェクトが始まった。

 学生たちは、手厚い英語教育で知られる大学の特色を生かし、千駄ケ谷にやってくる外国人客のおもてなしをイメージした。電車のマナーや将棋のルールを説明するパンフレットを作り、駅や将棋会館で配布。成田空港に出向いて茶会を開き、日本の伝統文化に触れてもらった。

 競…

この記事は有料記事です。

残り2364文字(全文3276文字)

【東京オリンピック】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の筆者
すべて見る

注目の特集