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第4回全国高校eスポーツ選手権

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「フォートナイト」で英語を学習 「ゲーミング英会話」って何?

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フォートナイトのオープニング。プレーヤーが選んだキャラクターが上空から島に降下する(© 2021, Epic Games, Inc.) 拡大
フォートナイトのオープニング。プレーヤーが選んだキャラクターが上空から島に降下する(© 2021, Epic Games, Inc.)

 ゲームを使って英会話を学習する「ゲーミング英会話」に今、保護者からの問い合わせが相次いでいる。この英会話を運営しているのは、株式会社クロ(東京都渋谷区)で、授業は完全オンライン。自宅でゲームをしながら英会話を学ぶとあって、ゲーム好きの子どもにはたまらないが、本当に英語力アップにつながるのか。そこには「単なる遊び」では終わらない工夫があった。

 ゲーマー向け通話アプリ「ディスコード」から、外国人講師と女子小学生の会話音声が聞こえてくる。

「Where are we going(どこにいきますか)? はい くりかえして」

「ホェア…… アー ウィー ゴーイング?」

「OK.Very good!(よくできたね)」

 小学生は千葉県在住の4年生。この日が英会話教室初体験で、発音もたどたどしい。外国人講師は片言の日本語を織り交ぜ、ゆっくり教えていく。一見、普通のオンライン英会話の授業のようだが、2人が一緒に取り組んでいるのはオンラインゲーム「フォートナイト」だ。講師は、日本から約3000キロ離れたフィリピン・セブ島から授業を行っているという。

 フォートナイトは、オンラインでつながった最大100人の参加者が、島内で生き残りをかけ、銃撃戦を繰り広げるサバイバルゲーム。「デュオ」「トリオ」など複数人でチームを組んで参加できる。世界で3億5000万人以上がプレーしているとされる人気ゲームの一つだ。

 ゲームは戦場となる島に、キャラクターが降下する場面からスタートする。島には敵に遭遇しやすい場所、しにくい場所があるため、講師が小学生に最初に教えた「Where are we going?」は、島のどこに降りるかを相談するために使った言葉だった。講師と小学生のやり取りはインターネットの回線速度の向上により、ほぼタイムラグがない。

 ゲーミング英会話について説明する渡部氏=東京都千代田区で2021年4月8日、杉本修作撮影 拡大
ゲーミング英会話について説明する渡部氏=東京都千代田区で2021年4月8日、杉本修作撮影

 株式会社クロの社長・渡部裕介氏(30)は「ゲームだからといって、特殊な会話をするわけではなく、日常的に使っている会話と文章の構成はほとんど変わらない」と言う。

 渡部氏がゲーミング英会話を開設したのは2020年12月。元々、14年に東南アジアに渡り、17年からはフィリピンで日本人向け語学学校の経営を始めた。海外生活の中で、東南アジアや米国でのeスポーツの盛り上がりを肌で感じ、19年に帰国した後、ゲームと英会話を掛け合わせることを思いついた。以前、共同で事業を展開していたフィリピンの語学学校「Kredo」と提携し、ゲーミング英会話を始めた。

 SNSなどを中心にネットのみで募集し、多くの問い合わせが寄せられた。これまでに北海道、東京、鳥取など全国各地の小中学生約50人が授業に参加。もちろん、フォートナイトにはまっている子どもばかりで、親の勧めで参加する子どもが多い。

 好きなことをやりながら学べるため、子どもの上達も早い。月10回程度の授業で、1カ月も過ぎれば、ゲームに利用する簡単な会話ができるようになるという。

 eスポーツコースを開設している通信制の高校でゲーミング英会話の模擬授業を行っている渡部氏。それにとどまらず、大学、専門学校の学習でもゲームを生かしたいと考えている。【杉本修作】

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