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けがと向き合う陸上人生 鈴木亜由子が恩師と歩んだマラソンロード

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東京オリンピック・マラソン代表選考会を2位でフィニッシュし、五輪代表切符を手にした鈴木亜由子(左)と日本郵政グループの高橋昌彦監督=東京・明治神宮外苑で2019年9月15日午前11時40分(代表撮影)
東京オリンピック・マラソン代表選考会を2位でフィニッシュし、五輪代表切符を手にした鈴木亜由子(左)と日本郵政グループの高橋昌彦監督=東京・明治神宮外苑で2019年9月15日午前11時40分(代表撮影)

 その手紙を読み、思わず涙した。2019年9月14日。一発勝負の東京オリンピックのマラソン代表選考会を翌日に控えていた。

 女子マラソン代表の鈴木亜由子(29)=日本郵政グループ=は、所属先の高橋昌彦監督から軽食を渡された。そこには一通の手紙が添えられていた。

 「この状態なら大丈夫。十分勝ち抜ける。自信を持って」

 普段は書かないという手紙。内容の一部を明かした高橋監督は、こう続けた。「それが一押しになればいい。形に残るので、会話とは違うものがある」

 その年、高橋監督は体調を崩し、一時現場から離れた。何とかレースの約1カ月前から現場に復帰し、鈴木は心強く感じた。それだけに「(手紙は)ちょっと泣ける内容だった。頑張ろうと思いましたね」。代表選考会では苦しい時に出る口角を上げる仕草を見せながらも粘り、2位で代表へ。3位とはわずか4秒差だった。

天才少女、飛躍へ

 鈴木は愛知県豊橋市の豊城中時代、バスケットボール部に所属しながら2年生で全日本中学校選手権の800メートルと1500メートルで2冠を達成した。3年時には1500メートルを連覇し、「天才少女」と呼ばれた。

 しかし県内有数の進学校である時習館高では、右足甲を疲労骨折するなど思い描いた競技生活にはならなかった。勉強も陸上も一切手を抜かない。そんな性格が裏目に出た。…

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