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昨年の夏、本紙の連載「清六の戦争」を欠かさず読んでいた。太平洋戦争末期、フィリピンの洞窟でガリ版刷りの新聞を作り続け、最後は餓死した東京日日新聞の記者・伊藤清六の足跡を追ったルポで、今年6月に書籍化されている。
東京日日新聞は毎日新聞の前身で、清六は執筆した伊藤絵理子記者にとって曽祖父の弟にあたる。
戦時統制下で清六は戦意高揚の記事を書いた。同じく新聞社という組織に属する伊藤記者は、自分ならどうしたかと、記者としての倫理を問い直さざるを得なくなる。それは現代を生きる「いま、この自分」に関わる問いである。
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