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混戦の横浜市長選 カジノへの逆風映す構図

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 カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を問う選挙戦である。横浜市長選が8日に告示され、過去最多となる8人が立候補した。

 現職の林文子市長ら2人が誘致推進の立場なのに対し、6人が反対を主張して混戦となっている。

 注目されるのは、IRを推進してきた自民党から、元衆院議員の小此木八郎氏が誘致中止を掲げて出馬したことだ。

 小此木氏はIR整備を進める法案に賛成し、カジノ管理委員会を所管する国家公安委員長を直前まで務めていた。

 菅義偉首相は官房長官時代から、インバウンド(訪日観光客)政策の一環としてIR推進の旗を振ってきた。地元の横浜は、有力候補地と見られていた。

 にもかかわらず、首相は誘致の是非に触れないまま、小此木氏を支援する姿勢を打ち出した。

 これに反発した自民党市議の一部が、4選を目指す林氏の支援に回り、足並みが乱れている。立憲民主党は反対を主張する候補を推薦している。

 今回、誘致反対の候補が乱立する構図となったのは、世論の逆風を反映したものだ。

 政府はIRを、東京オリンピック・パラリンピック後の成長戦略の柱として位置づけてきたが、新型コロナウイルス禍で行き詰まっている。

 IRを巡っては、ギャンブル依存症が広がりかねないとの懸念が根強い。政府は「世界最高水準の規制」で日本人客の入場を制限すると説明し、国民の理解を得ようとしてきた。

 しかし、コロナ禍の収束は見込めず、訪日外国人に頼るビジネスモデルの前提が崩れている。収益を上げようとすれば日本人客に頼らざるを得ず、依存症のリスクが高まる。

 政府はIR整備を最大3カ所で計画している。10月から自治体の申請を受け付ける。大阪府・市や和歌山県などが誘致を表明しており、横浜が名乗りを上げるかは選挙結果次第だ。

 賛否が割れる施策だけに、誘致には住民の理解が欠かせない。首相の地元で反対の民意が示されれば、政府のIR戦略にも影響が及ぶ可能性がある。

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