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2020年東京へ向けて、障害者スポーツの祭典を目指す選手たちや特別なルールの競技などを特集します。毎月1回更新。

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パラスポーツからの贈りもの 人間の能力広げる挑戦=越智貴雄

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パラリンピック4連覇中のブラジル。10番をつけるリカルド・アウベスは、ボールに入った鈴の音を頼りにピッチを縦横無尽に駆けまわる=写真家・越智貴雄さん撮影
パラリンピック4連覇中のブラジル。10番をつけるリカルド・アウベスは、ボールに入った鈴の音を頼りにピッチを縦横無尽に駆けまわる=写真家・越智貴雄さん撮影

 パラスポーツを21年間撮影している中で、パラアスリートの能力に何度も驚かされた。

 アイマスクをつけたブラインドサッカー選手が、ドリブルで相手選手を3人抜いてシュートを放つ。突出した空間認知能力の高さがこの技を可能とする。太ももを切断した走り高跳び選手が、片足だけで助走して1メートル80を軽々と越えていく。下半身まひのパワーリフティング選手は、足の踏ん張りが利く健常者の世界記録を超える重さのバーベルをあげる。義足の走り幅跳び選手は五輪選手と変わらない距離を跳ぶ。どうしてこんなことができるのかと、人間の可能性に興奮する。

 そんなパラアスリートの卓越した能力を学者たちが調べて研究したら、驚きの事実が分かってきた。パラアスリートの脳の動きを調べた東大の中沢公孝教授は、脳性まひのある競泳選手が、右脳に大きな損傷があるにもかかわらず、水中では障害が分からないような泳ぎをするのを見て、衝撃を受けた。さらに義足アスリートを調べると、左右両方の脳で切断部分を動かしていた。通常は片側だけで動かすので、常識が覆されたという。脊髄(…

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