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浜崎洋介、古川勝久、上田岳弘、長島有里枝、小田島恒志、マヒトゥ・ザ・ピーポーの各氏が交代でつむぐコラム。

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スルーしすぎなのかも=上田岳弘(作家)

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 ある著名な落語家の方とお話をしたときに、「どれだけ話題になったとしてもその効果が続くのは3年」とおっしゃっていたのが印象に残っている。日本中が熱中したドラマ、スポーツの世界記録、あるいは歴史的発見。そのニュースが一世を風靡(ふうび)したとして、世の中は移ろいやすく、いつもどこからか新しいものが生まれる。10年ひと昔という慣用句があるけれど、インターネットが普及した今は、我々がさらされる情報の量は爆発的に増え、流れ去っていく速度は増すばかりだ。半年前や1年前に話題になっていたことを今調べてみると既に隔世の感を覚えるものも少なくない。

 その代わり、と言ったら変な言い方だけれど、情報の鮮度が落ちるのは早いわりに、一度確立されたブランドや権力がいつまでも残っている。新たに生まれたものはさっさと流れていってしまうから、表層は変わっても結局は古い因習めいたものがずっと社会の底に残り続けていて、その傾向はインターネット普及の前よりも一面では強くなっているのではないか。これは、真偽不確かなものに踊らされないように、我々がスルースキルを鍛え…

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