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五輪が示した、衰退しファシズム化する日本 中島岳志氏

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中島岳志・東京工業大教授=東京都千代田区で2018年8月3日、梅村直承撮影
中島岳志・東京工業大教授=東京都千代田区で2018年8月3日、梅村直承撮影

 「もはや先進国ではない日本は、『堕(お)ちる道を堕ちきる』ほかない――」。東京オリンピックが閉幕した。数々の不祥事に加えて、東京都の新型コロナウイルス感染者数が期間中に過去最多を記録するなど問題にまみれた大会だった。中島岳志・東京工業大教授が、日本と五輪の本当の姿を射抜き、処方箋を提示した。【聞き手・鈴木英生・オピニオングループ】

日本衰退を可視化した東京五輪

 まずは、あまりに問題だらけの大会でも、全力を尽くされたアスリートの方々に、敬意を表したい。そのうえで、今やるべきではない五輪をやってしまったとしか言いようがない。せめて、あと1年延期すべきだった。今大会の反省を踏まえて、五輪のあり方は根底から問い直されねばならない。

 1964年の東京大会が戦後復興と高度成長の象徴ならば、今回は日本の衰退を可視化したイベントとして語り継がれるだろう。新型コロナウイルス禍への政府の対応のまずさはもちろんのこと、エンブレム問題や国立競技場問題、関係者による数々の問題発言……と、トラブルや不祥事にまみれた大会だった。開会式を見て「日本が誇れるものは、私の子ども時代のテレビゲームくらいしかないのか」とため息をついた。安倍晋三前首相は、高度成長期を描いた映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が好きだが、あの開会式は、せいぜい「四丁目の夕日」を見せたようなもの。「日本はもはや先進国ではない」と全世界に発信したことが、今大会最大のポイントかもしれない。

まるで「八甲田山死の彷徨」

 この間、五輪を通じてコロナ禍についての誤ったメッセージが次々と発せられ、感染者数を拡大させ…

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