演劇 さいたまネクスト・シアター「雨花(うか)のけもの」 レガシーの真価これから=評・濱田元子

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 蜷川幸雄のレガシーである「さいたまネクスト・シアター」が刻んだ意義に改めて感慨を深くする最終公演だ。細川洋平作、岩松了演出。

 蜷川が2009年に設立。未知の可能性を秘めた俳優たちを、シェークスピアやギリシャ悲劇、宮本研といった骨太のせりふと徹底的に対峙(たいじ)させてきた。どの舞台も鮮烈で忘れがたい。活動の集大成が初の書き下ろし現代劇というのも、蜷川の薫陶を受けたチャレンジングな集団らしい。

 富裕層が、社会になじめない若者たちをペットとして飼っているという寓話(ぐうわ)めいた設定は、現代のいびつな社会構造のメタファーだろう。彼らを売りさばく唐木井折(松田慎也)の屋敷では、中島(周本絵梨香)や望月(鈴木彰紀)らを招いてペットの品定めが行われている。そこにペットのさすけす(内田健司)や、るしあ(佐藤蛍)の思惑が交錯する。

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