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経費膨張した東京五輪 国民に経緯明かすべきだ

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 東京オリンピックが閉幕し、最大の課題として財政問題が浮上している。

 1年延期による追加経費と、無観客開催に伴うチケット収入の大幅減少で、大会組織委員会の収支が赤字となるのは避けられない状況だ。

 組織委の予算は、延期で1030億円が追加され、7210億円となった。このうち、チケット収入として見込んでいた900億円の大半が失われる。

 2013年に国際オリンピック委員会(IOC)に提出された「立候補ファイル」には、組織委が資金不足に陥った場合は東京都が補塡(ほてん)すると記されている。それでも埋め切れない場合は、政府が負担する決まりだ。IOCは赤字補塡の契約を結んでいない。

 このため、都民や国民の税金で不足分を穴埋めすることになる。ただ、新型コロナウイルス下で行われた異例の大会である。赤字額が確定すれば、IOCも含めてどう分担するかを議論すべきだ。

 開催決定以来、大会経費は膨張を続けてきた。当初、組織委と都、政府が支払う全体額は7340億円となっていた。ところが、昨年12月に発表された予算では1兆6440億円にまで増大した。

 これに道路整備など「大会関連経費」も合わせると、3兆円を超すとみられる。

 招致時は「コンパクト五輪」を掲げていた。選手村から半径8キロ圏内に競技施設の85%を集中させる構想だった。

 だが、施設の建設費がかさむとして、方針転換した。その結果、10都道県での広域開催となり、別の費用が発生した。最初から計画がずさんだったのではないか。

 今後の施設活用も大きな課題だ。こちらも見通しが甘く、「負の遺産」となる恐れがある。

 建て替えた国立競技場は大会後の運営形態が決まっていない上、年間維持管理費は24億円にのぼる。臨海部に東京都が整備した競技施設も同様だ。6施設のうち、黒字が見込まれるのは、コンサートにも利用できるバレーボール会場の有明アリーナだけだ。

 組織委と都、政府はなぜ経費が膨張したかを検証し、経緯を説明する必要がある。国民に安直にツケを回すことは許されない。

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