アフガンで支配地域広げるタリバン 米軍撤収で力の空白、軍閥も呼応
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

アフガニスタンで主要都市を次々と支配下に置く旧支配勢力タリバンは12日、西部の要衝ヘラートを制圧したと表明した。また、ロイター通信は13日、南部カンダハルも制圧されたと伝えた。国内第3、第2の都市の陥落は、アフガン政府にとり大打撃だ。急速な事態悪化を受け、米国防総省は12日、首都カブールの大使館員ら米政府職員の退避を支援するため、米兵3000人をアフガンに緊急増派すると発表。31日の駐留米軍完全撤収を前に、アフガン情勢は緊迫している。
ヘラート陥落の2週間前、7月29日に街へ入ると、タリバンは周辺の農村地域の支配を固め、州都を目指しているところだった。
「タリバンがまた1キロ前進してきた。再び防衛ラインを下げるしかない。すぐ前線へ」。反タリバンで政府軍と共闘する地元軍閥幹部が、街中の拠点で「出陣」を告げた。待機中の戦闘員は、直ちにAK47などの銃やRPG(携行型対戦車砲)を手に取り、バンやトラックに分乗した。
「米国はこちらが準備する時間を作らずに一気に出て行った。タリバンに攻撃許可を与えたようなものだ」。前線で指揮を執る地元軍閥トップの父イスマイル・ハーン氏に代わって取材に応じた息子のサイエド・タハ氏(30)がぶちまけた。
ハーン氏は旧ソ連によるアフガン侵攻(1979~89年)の際に勇名をはせたムジャヒディン(イスラム聖戦士)司令官の一人。国際社会の後ろ盾で誕生したカルザイ前政権で閣僚も務め、タリバンとは敵対する。現地の記者によると、ハーン氏の軍閥は2000~300…
この記事は有料記事です。
残り2663文字(全文3308文字)
時系列で見る
-
アフガンで影響力拡大狙うロシア 中央アジア支援、タリバンと接近
582日前 -
タリバン、アフガン北部マザリシャリフを制圧 州都の7割超支配
582日前 -
米軍のアフガン緊急増派、5000人規模に タリバン勢力急拡大で
582日前 -
タリバン、首都カブールの孤立化狙う? アフガン政府も対決姿勢
583日前 -
援軍なし給料なし「どうやって戦えば」逃げ出したアフガン政府軍
583日前動画あり -
「タリバン、カブール孤立化狙う」 米大使館閉鎖に現実味
583日前 -
タリバンに戦闘停止を要求 国連事務総長「代償払うのは民間人」
583日前 -
英国防相、米のアフガン撤収批判「アルカイダが復活するだろう」
583日前 -
アフガンで大使館閉鎖や職員退避の動き相次ぐ
583日前 -
アフガンで支配地域広げるタリバン 米軍撤収で力の空白、軍閥も呼応
584日前深掘り -
タリバン攻撃に非難声明案 国連安保理が協議開始
584日前 -
米軍、アフガンに3000人緊急増派へ 第3の都市ヘラートも陥落
584日前 -
緊迫するアフガン情勢 「権力の空白」につけこむタリバン
584日前 -
パキスタン、隣国アフガンと関係悪化続く 勢力強めるタリバン
585日前 -
パキスタン首相「アフガン、政治的解決困難」戦闘長期化懸念
585日前 -
攻勢強めるタリバン アフガン6州都を制圧、政府に投降呼びかけ
587日前 -
進まぬアフガン和平 パキスタン首相補佐官「戦闘長期化は悪夢」
587日前 -
混乱が迫るアフガンと隣り合わせて旧ソ連の国は何を思うのか
589日前 -
タリバン、アフガンの2州都を制圧 政府要人への襲撃も相次ぐ
590日前