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沖縄「復帰50年」の群像

沖縄が日本本土に復帰して2022年5月で50年。本土とは異なった戦後史を刻んでいる沖縄の「いま」を考えます。

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沖縄「復帰50年」の群像

「病人ではない。芸人だ」沖縄の憂い、怒り、悲しみ乗り越える笑い

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復活公演「祝!まーちゃん“ガン”バック公演『芸人から病人になっちゃいました』」で熱演し、「病人でも笑いはつくれる」と呼び掛けた=2015年11月15日、沖縄県浦添市の国立劇場沖縄で(琉球新報提供)
復活公演「祝!まーちゃん“ガン”バック公演『芸人から病人になっちゃいました』」で熱演し、「病人でも笑いはつくれる」と呼び掛けた=2015年11月15日、沖縄県浦添市の国立劇場沖縄で(琉球新報提供)

 琉球新報の1階エントランスを区切ったホール(のような空間)で2019年11月から毎週水曜日に開いている「ちょい呑み処『お笑いニュースペーBar』」は、1週間分の琉球新報の記事をまーちゃん流に解説し、マネジャーの大久保謙さん(37)と技術スタッフの赤司舞さん(32)がこれに絡む2時間ほどのライブイベントだ。ユーチューブでも配信している。

 この5月以後、新型コロナウイルス禍でやむなく休演しているが、私はそれまで毎週、顔を出した。「面白いイベントがある」と誘われたのがきっかけだった。確かに。そして、単に面白いだけではない。「お笑い米軍基地」そのままの、ウチナーンチュの心をつかんだ笑いが客席30人ほどのホールを包んでしまうのだ。

 玄関入り口に「新鮮!産地直送 島笑い」と大書したのぼりを立てて、道行く皆さん、どうぞお入りください、一緒にちょっと考え、そして大きく笑いましょう。観客席に琉球新報記者の姿が見えると壇上に招き、即席の「ニュース解説」や「ニュースの裏話」がいきなり始まったりもする。

 私も常連客として次第に顔なじみになり、2回ほど「にわか解説者」として指名され、沖縄戦の戦跡巡りを続けていることなどを話した。これを聞いたまーちゃん、笑顔は絶やさなかったものの、視線を私からそらさなかった。「ヤマトンチュウが沖縄戦を学ぶワケを知りたい」という興味と関心を浮かべた目だった。その後、しばらくして私はまーちゃんに「戦跡を一緒に回ってみたいね」と提案してみた。即座に、「ぜひとも」の答えが返ってきた。

戦跡ツアー、寡黙なまーち…

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