連載

週刊テレビ評

報道やドラマ、バラエティーまで5人の識者がテレビを読み解きます。

連載一覧

週刊テレビ評

8月ジャーナリズム 新たな視点で真実に迫る意義=碓井広義

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 新聞やテレビなどのメディアに関して、「8月ジャーナリズム」という言葉がある。毎年8月になると、「原爆の日」や「終戦記念日」に合わせるように、戦争や平和についての報道が目立つことを指す。その「集中ぶり」、もしくは他の時期の「寡黙ぶり」を揶揄(やゆ)するニュアンスもそこにある。

 しかし、近年の民放テレビに関して言えば、8月に放送される戦争・終戦関連番組の数は減少傾向だ。確かに、新たなテーマを見つけ、手間をかけて制作しても、大きく視聴率を稼げるわけではない。特に今年は東京五輪を言い訳にして、このジャンルはNHKに任せてしまおうと思ったとすれば、民放は「8月ジャーナリズム」自体を放棄したことになる。

 一方、NHKは8月前半だけで十数本の特集を組んでいる。「長崎原爆の日」である9日に放送されたのが、NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」だ。敗戦直後の広島と長崎で行われたアメリカ軍による「原爆の効果と被害」の現地調査。その際、「残留放射線」を計測した科学者たちは、「人体への影響」の可能性を指摘していた。ところが日米両政府は、この残留放射線を「なかったこと」として、認めようとしなかったのだ…

この記事は有料記事です。

残り553文字(全文1053文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集