国内初となるか mRNAワクチン開発に向け越えるべき「壁」
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新型コロナウイルス感染症のワクチン開発を進める国内製薬大手第一三共の籔田雅之バイオロジクス本部長らが毎日新聞の取材に応じた。同社が手がける「メッセンジャー(m)RNAワクチン」は、海外製こそ実用化されているが、国内企業が開発に成功すれば初めてだ。同社は長年ワクチン事業を展開してきた。「ワクチンのあり方を根本から変えるような技術」と期待を寄せるが、ハードルもあるという。国産初のmRNAワクチン誕生に向け、今必要なことは。
治験参加者集めに苦労
――新型コロナのmRNAワクチンの開発状況について教えてください。
◆籔田雅之バイオロジクス本部長(常務執行役員) 3月から第1・2相(初期段階)の臨床試験(治験)を始めています。同時並行で、グループ会社の第一三共バイオテックの埼玉県の工場で、生産体制を整えるべく準備を進めています。年内に次のステップ(第2・3相治験)に移りたいと考えています。
――一般に治験では、ワクチンの接種を受けていない人の参加が必要です。国内では海外製ワクチンの接種が進んでいますが、参加者集めはスムーズに進みそうですか。
◆上野司津子・臨床開発第3部長 第1・2相治験は、20~64歳までの成人層と、65歳以上の高齢者に分けて実施しています。成人層はまだワクチン接種が始まっていないタイミングだったので比較的スムーズに参加していただけたのですが、高齢者層は自治体からワクチン接種券が届く時期と重なったため、非常に苦労しました。この状況からしても、この後の第2・3相治験において被験者募集は大きな課題になると考えております。
最終段階と位置づける次の第2・3相治験は、数千人規模で実施することを考えています。日本のボランティアの人たちに参加していただき、接種後の中和抗体価(血液中の抗体の量)と安全性のデータを取る方針ですが、日本だけでなく、海外での治験実施も検討中です。
――ワクチン接種が進む中での治験の難しさは国際的にも共通課題です。日米欧などの薬事規制当局の国際組織「ICMRA」は6月下旬に、従来と異なる評価方法を認め、治験の規模も従来の「数万人単位」から「数千人単位」に縮小して行うことが可能となりました。開発企業としては朗報でしょうか。
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