連載

Topics

芸術、文化、芸能などカルチャー周辺のトピックスを紹介します。

連載一覧

Topics

震災10年 追悼の鼓動 被災松で作った「カホン」 岩手・陸前高田で来月コンサート

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
東日本大震災が起こる前の「高田松原」=陸前高田市提供
東日本大震災が起こる前の「高田松原」=陸前高田市提供

 東日本大震災時の津波で、“奇跡の一本松”と呼ばれる1本を残し、全ての松が流された岩手県陸前高田市の高田松原。震災から10年の今年、地元で保管されていた同地の流木を使い、木製打楽器「カホン」が作られた。カホンの名手として知られる同市出身のパーカッショニスト、はたけやま裕ら国内有数の音楽家が9月30日、市内で追悼コンサートを開き、生まれ変わった被災松の鼓動を響かせる。

 高田松原は、海沿い約2キロに樹齢約300年のアカマツとクロマツ、計約7万本が並ぶ白砂青松の名勝で、海水浴場としても人気だった。江戸時代に防潮・防砂目的で造成されて以来、明治三陸大津波(1896年)やチリ地震津波(1960年)など、度々東北を襲った津波の被害を軽減させる役割も果たした。だが震災時の大津波でほとんどの松が流され、風景は一変。震災後、市内の漁港には、網やロープの絡まった松の大木が山積みになった。

 「社長、これ、なんとかしてくれないか」。流木に困り果てた漁師の一人が、隣の大船渡市で製材業「鹿児島屋」を営む及川喜久平さんに相談。及川さんは松を短く切り、廃材としてトラック約20台分を引き取った。そのうち木材として利用できたのは1割以下。「大赤字もいいところ」だったが、震災を風化させたくないとの思いから、それらを復興庁の看板や家具の材料として提供したり、…

この記事は有料記事です。

残り1303文字(全文1871文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集