「将来の宰相」候補2人 再生エネ普及へ、思惑絡むエネ政策の攻防
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この夏、国のエネルギー政策の方向性が固まった。脱炭素社会への移行が世界で加速する中、自民党で勢いを増したのが二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の活用論。その訴えを遮って再生可能エネルギーの拡大に動いたのが「将来の宰相」候補と目される2人の閣僚だった。原発議論をタブー視してきた永田町で何が起きているのか。政、官、財それぞれの思惑が絡むエネルギー政策を巡る攻防を追った。
罷免も覚悟、小泉氏の勝負
「『再生エネ最優先』の原則が盛り込まれなければ、閣議で署名できない」。経済財政運営の指針「骨太の方針」と成長戦略の策定に向けた調整が続く5月、小泉進次郎環境相は事務方原案を示した官僚にこう詰め寄った。原案には原子力を「最大限活用」という記載も。「再生エネ推進と矛盾する」。小泉氏はこの文言の削除も求めた。
国家行政で最高の意思決定の場である閣議は全閣僚の全会一致が原則だ。もし、決定文に署名しない場合はどうなるのか。
2005年8月、小泉氏の父である小泉純一郎首相は、郵政民営化法案の参院での否決を理由に解散に踏み切ろうとした際、閣議で署名を拒否した島村宜伸農相を罷免。自ら農相を兼任して解散を閣議決定した。…
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