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今週の気持ちは「乙女温泉」

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 「女・男の気持ち」(2021年8月12~18日、東京・大阪・西部3本社計18本)から選んだ「今週の気持ち」は、大阪本社版8月13日掲載の投稿です。

   ◇

<今週の気持ち>

乙女温泉 大阪府和泉市・佐々木和歌子さん(会社員・45歳)

 「あんなんでよく来られるね。見苦しいっ!」。数年前、私が乳がんを患い、胸の切除手術を受けた後に温泉施設の露天風呂で中年女性から浴びせられた言葉である。

 一瞬何が起きたのか分からなかった。その女性は私をジロジロと見ながら、親族にも乳がんの人がいたが亡くなったことを友人に話していた。

 しばらくたって、私の容姿が女性を不快にさせていたことに気がついた。そして、発せられた言葉や視線を反すうすると、私はその場に居られなくなり、足早に去った。

 ショック、怒り、悔しさ、悲しさ……。さまざまな気持ちが湧き起こり、気がついたら涙があふれていた。久しぶりにほっこりできると思い、夫と4歳になる息子と出かけた温泉施設で、まさかこのような展開になるとは思いもしなかった。家路についた車中で、女性に言われたことを涙をこらえながらポツリポツリと言葉にした。

 「その人だれ? どこの人? 僕がやっつけてやる!」。小さい体を震わせ、右手をブンブンと振り回しながら息子が言った。私は小さな息子に救われた。

 乳がんを経験した女性に銭湯を貸し切りにする「乙女温泉」の取り組みが7月7日の夕刊(大阪本社発行)に掲載され、あの日の出来事を鮮明に思い出した。気兼ねなくリラックスできる温泉。私も乙女温泉を広めるお手伝いをしたいと強く思う。

   ◇

<担当記者より>

 担当記者は男ですが、冒頭の中年女性の言葉には、「これはひどい。しかも、本人に聞こえるように言うとは」と怒りがこみ上げました。そして、4歳の息子さんの母への思いに涙腺が緩んで仕方なかった。投稿を読まれた多くの方も同じ思いではないでしょうか。

 他者を傷つける言動を平気でする人。残念ながら、けっこういますよね。身の回りにも、著名人にも。たとえ悪意を自覚していなくても、私自身も同じ罪を犯しているのでは、と自省の気持ちを常に持っていなければと心しました。

 投稿に出てくる「乙女温泉」は兵庫県尼崎市にある「蓬莱湯(ほうらいゆ)」。敷地内で採掘された温泉が楽しめるこの銭湯で、6月に10人ほどの女性が集まり、湯上がり姿で自らの乳がん体験を語り合った様子が紹介されています。記事によると、SNS(ネット交流サービス)で情報が広まり、大阪や北海道でも乙女温泉が開催されているとありました。捨てる神あれば拾う神あり。優しさの輪が大きく広がることを願っています。

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