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負の感情、言語化し排出を 漫画家・ヤマザキマリさん

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書棚をバックに笑顔を見せるヤマザキマリさん=本人提
書棚をバックに笑顔を見せるヤマザキマリさん=本人提

 旅や移動生活が当たり前だった人はこのコロナ下、どう過ごしているのか。17歳で国を出てから初めて、1年半も日本に滞在している漫画家のヤマザキマリさん(54)は、「立ち止まったことで気がついたことがたくさんあった」と言う。

 札幌交響楽団のビオラ奏者だった母に押され、14歳で欧州を一人旅したヤマザキさんは17歳で美術を学ぶためイタリアのフィレンツェに渡った。30代半ばからは夫の歴史研究に付いていきポルトガル、シリアなど世界各地で暮らした。ここ数年は夫が高校教師をしているイタリア北部パドバの自宅から時折日本に帰っていたが、2020年春の新型コロナウイルスまん延でリズムが一変した。日本に長居するのは17歳以来で、移動を遮られたことで若干ストレスがたまっている。

 「私は感情を表に出さなければ社会的に受け入れてもらえないイタリアという国で成長しました。家族同士でも、学校のような社会でも、ディベートや批判ができなければ生きていけません。ですが日本では何でも言語化する冗舌な人は嫌われがちですし、物事を言い過ぎない美徳みたいなものがありますよね」

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