カンボジアのデジタル通貨 「Edy」開発者が異国に託した夢

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店頭で使われるカンボジアのデジタル通貨バコン。QRコードをスマートフォンで読み込み、金額を入力することで容易に支払いができる=宮沢和正さん提供
店頭で使われるカンボジアのデジタル通貨バコン。QRコードをスマートフォンで読み込み、金額を入力することで容易に支払いができる=宮沢和正さん提供

 国家の中央銀行がデジタル通貨を発行し、国民がスマートフォンで使う。そんな未来の仕組みを実用化している数少ない国の一つがカンボジアだ。その技術開発を担ったのは、なんと日本のベンチャー企業「ソラミツ」(東京都渋谷区)だという。過去に電子マネー「Edy(エディ)」も開発した宮沢和正社長(65)は「エディで果たせなかった夢をカンボジアに託しました」と語る。その思いとは――。【安藤大介/経済部】

SNSで舞い込んだ依頼

 始まりはネット交流サービス(SNS)に届いた一通のメッセージだった。

 「これ、詐欺だろうなと思いました」。宮沢さんが思い出し、苦笑するのは、2016年12月にカンボジア国立銀行(中央銀行)から受けたデジタル通貨開発の依頼だ。ソラミツのSNSアカウントに届いた英文のメッセージには「我々はデジタル通貨を発行したいと考えている」「あなた方のサポートを期待している」などと記されていた。

 「外国の中央銀行が突然、SNSで依頼してくるとは常識的に考えづらい。だまされているのではないかと不安もありました」と宮沢さん。社内で議論した結果、現地で直接、先方の意向を確認することにした。

 17年1月に初めて首都プノンペンを訪れて知ったのは、…

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