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英月の極楽シネマ

京都の大行寺で住職を務める英月さんが仏教の次に大好きな映画について紹介する。

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孤狼の血 LEVEL2(2021年、日本) 問いかける「悪」とは何か

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 昭和末期の広島を舞台にヤクザと警察、その周囲の人間模様を生々しく描いた前作で「正義とは何か?」を強烈に突き付けられてから3年。今度の舞台はバブル景気の広島です。前作で会長を殺された組でさえ、手打ちは済んだとビジネスに没頭する有り様。そこへ亡き会長を親父(おやじ)と慕う上林(鈴木亮平)が出所してきます。仇(かたき)も討たずビジネスマン然とする上層部に制裁を加えただけでなく、その怒りは手打ちを陰で仕切った刑事・日岡(松坂桃李)にも向かいます。

 「日本映画史に残る悪役にしてほしい」という白石和彌監督の言葉を受け、身の毛もよだつ男を演じた鈴木はインタビューで「私自身が一番怖いと思う人は、自分を悪いと思っていない人」と語っています。正々堂々と悪事を働く彼の自信はそこからきているのかとうなずかされますが、同時に、それは私だとドキッとしました。正直、とびっきりの善人ではないにしても、悪人ではないと思っています。その証拠に、何かあってすぐ思うのは…

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