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ご都合主義?善意の搾取?ボランティア問題から見えた五輪の正体

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選手と直接接する仕事だがPCR検査は受けていないという東京五輪のアルバイトの女性。「安全というけれど、正直不安です。感染対策はしっかりしてほしい」と話す=2021年8月、上東麻子撮影
選手と直接接する仕事だがPCR検査は受けていないという東京五輪のアルバイトの女性。「安全というけれど、正直不安です。感染対策はしっかりしてほしい」と話す=2021年8月、上東麻子撮影

 無観客開催となった東京オリンピックでは、「大会の顔」とも言われたボランティアの活動が大幅に縮小され、参加できなかった人が少なくない。ボランティアらの取材を進めると、そんな状況下でも好待遇のアルバイトが同じような「仕事」をしていたというちぐはぐな実態や、新型コロナウイルスの感染対策や運営体制への不満が浮かんできた。なぜこんな事態になったのだろうか。パラリンピックでも活動が続くボランティアのあり方について、考えてみたい。【上東麻子/デジタル報道センター】

ボランティアの活動ないのに、アルバイトは募集?

 まずはボランティアを巡る経緯をおさらいしたい。「オリンピック・パラリンピックの成功は、まさに『大会の顔』となるボランティアの皆さんの活躍にかかっています!」。そんなうたい文句で東京五輪・パラリンピック組織委員会が募集を始めたのは、2018年。競技場などで運営に関わる活動をする大会ボランティアは8万人の募集枠に20万4680人が応募する人気ぶりだった。しかし、今年2月に組織委の森喜朗会長(当時)による女性蔑視発言が批判を集めて以降、辞退者が急増。新型コロナ感染への不安などもあり、7月までに約8万人のうち約1万人が辞退した。このほか東京都、埼玉県など自治体が募集した、観光案内などを行う都市ボランティアもいる。

 大会開幕まで15日に迫った7月8日、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の会場はすべて無観客での開催が決まった。これにより観客誘導、会場整理などの仕事が大幅に減った。都市ボランティアの活動もほぼ中止された。

 一方、6月ごろからアルバイト募集サイトには、「国際的なスポーツイベント」の運営スタッフの募集が目立つようになった。内容を見ると会場整理など五輪のボランティアと変わらないように見えるのに、…

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