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女子硬式高校野球 神戸弘陵女子、歴史刻むV 男子も指揮、石原監督「甲子園のチャンス、感謝」

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高知中央を破って優勝し、胴上げされる神戸弘陵の石原監督=滝川大貴撮影 拡大
高知中央を破って優勝し、胴上げされる神戸弘陵の石原監督=滝川大貴撮影

 <夏・甲子園2021>

 23日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた第25回全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝。高知中央と対戦し5年ぶり2回目の優勝を飾った神戸弘陵(兵庫)の石原康司監督(61)は男子の監督としても甲子園に出場しており、史上初めて甲子園で男女の高校チームを指揮した。石原監督は「頑張っていたら女子でも甲子園のチャンスをもらえた」と感謝している。

 神戸市出身の石原監督は神戸甲北高から大体大に進み、1984年に神戸弘陵高に赴任した。男子の野球部コーチを務めた後に、93年から監督に就いた。コーチとして3回、監督としては94、99年のセンバツの計2回甲子園に導いた。

 2014年の男女共学化に向けて、女子硬式野球部の発足の話が持ち上がった。男子の監督を退いた後だったにもかかわらず、何度も断ったが、女子の監督を務めることに。「女子野球の世界があることすら知らなかった。ゼロからのスタートだった」と振り返る。中学の硬式リーグに女子選手がいると知るとあいさつに向かい、ソフトボールの大会にも足を運んだ。ある関係者から「(女子硬式野球に)将来の道はあるの」と問いかけられても、「全く知識がなかったから」答えられなかった。それでも熱意だけは負けなかった。全国各地を飛び回る。中学生に体験練習会も頻繁に開いて、認知度を高めていった。

 目標に掲げたのは、「3年以内の全国制覇」だ。部員勧誘と同時に軟式野球が使っていたグラウンドを整え遠方からの選手のために寮を完備した。教え子で、プロ野球・西武でプレーし、米大リーグにも挑戦した前田勝宏さん(50)に指導を依頼した。創部3年目の16年に全国高校女子硬式野球選手権大会優勝を果たし目標を達成した。18、19年には春の全国高校女子硬式野球選抜大会を連覇した。

 石原監督は女子野球の魅力について「柔軟性」と話す。日本高校野球連盟に加盟する男子の全国大会は、18人の登録選手に限られているのに対し、全国高校女子硬式野球連盟に所属する女子では試合ごとにベンチ入りメンバー25人を入れ替えられる。試合は7イニング制で指名打者制も採用され、多くの選手を出せる。

 神戸弘陵が初出場した89年夏の甲子園の記憶は今でも鮮明だ。ノッカーとしてグラウンドに立ち、「球場の景色が素晴らしい」ととりこになった。

 石原監督は「環境は限られているが、一生懸命で野球に対して欲している。甲子園を実現してもらって(選手数などの)底辺が拡大して、女子野球の校数も増え、甲子園でやりたい選手が増えて盛り上がってくると信じている」と力説する。新たな歴史が甲子園に刻まれた【藤田健志】

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