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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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横浜市長選、山中氏圧勝の裏に何が 苦々しく見守る「仲間」も

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初当選を祝福される山中竹春氏(中央右)。演壇に社民党や市民団体の代表者が登ったが、共産党関係者の姿はなかった=横浜市中区で2021年8月22日午後8時3分、長谷川直亮撮影
初当選を祝福される山中竹春氏(中央右)。演壇に社民党や市民団体の代表者が登ったが、共産党関係者の姿はなかった=横浜市中区で2021年8月22日午後8時3分、長谷川直亮撮影

 「あした新しい市長となり、一緒に新しい横浜をつくっていくと誓いたい」。横浜市長選投開票日を翌日に控えた21日夜、JR桜木町駅前にかれた声が響く。絶叫にも似た声の主は山中竹春氏(48)。勝利を確信した言葉に、集まった100人以上の支援者らから大きな拍手が湧き起こった。

 その2日後、横浜市中区のビルにある立憲民主党神奈川県連には久々の勝利の余韻がまだ残っていた。「昨日は暇だったので(日程を振り返って)見たら4月12日に初めてお会いして……」。山中氏擁立を主導した江田憲司・党代表代行は、集まった記者団を前に山中氏とのなれそめを冗舌に語り始めた。

 党は今回の市長選を、地元選出である菅義偉首相との対決の場として位置づけ、早くから準備を始めていた。3期目の林文子市長(75)は、菅氏の後ろ盾を得てカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を推進。これに対し、野党各党やその支持者たちは「反対」の1点でまとまっていた。誘致是非を問う住民投票条例の制定を求める署名を市民団体が2020年末の2カ月間で19万3193筆集めたことも自信を深める一因となった。

 こうした流れの中で「著名候補を担ぎ、野党で一本化できれば勝てない選挙ではない」(党幹部)と強気の見立てが広がった。共産党などは、そうした事情を背景に立憲主導の擁立を容認した。候補者選定は元国会議員や著名歌手の名前が取り沙汰されたが、今年に入って暗礁に乗り上げる。有力候補の話はそれぞれの事情で立ち消えとなり、「候補がいないわけではないが、決め手に欠ける状態」(県連幹部)になった。そんな状況で、選定を一任されていた江田氏が第三者を通して紹介されたのが山中氏だった。

 山中氏の擁立もトントン拍子で進んだわけではない。同時期、立憲内では元横浜DeNAベイスターズ社長の池田純氏(45)や弁護士の郷原信郎氏(66)らの名前も浮上していた。この中で山中氏は「線が細いから遊説なんかには不向きかな」(党幹部)との評価に過ぎなかった。

 一方で、山中氏は5月、市立大医学部教授として新型コロナウイルスの抗体に関する研究成果を発表し、大々的に報道されていた。テレビ番組にも出演し、専門は臨床統計学であるものの、江田氏らの間では「コロナの専門家」というキーワードが浮かんだ。選挙戦では、IR誘致反対を掲げる候補が増えて主要な争点から外れたとみてコロナ対策を連呼する作戦に変更。これが的中し、中盤以降は加速度的に支持を広げた。

 次期衆院選を目前にしたタイミングでの圧勝劇だが、苦々しく見守る「仲間」もいる。…

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【第49回衆院選】

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