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「防ぎようない」保育園で相次ぐクラスター 休園1カ月で4倍に

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距離を空けるため、頭の位置を互い違いにして昼寝する園児=ライクアカデミー提供
距離を空けるため、頭の位置を互い違いにして昼寝する園児=ライクアカデミー提供

 新型コロナウイルスの感染拡大「第5波」では、20歳未満の感染者数も右肩上がりに増加している。感染力の強いデルタ株の影響とみられる。特に保育園ではクラスター(感染者集団)が相次いで発生しており、臨時休園する施設は1カ月前の4倍に達した。共働き家庭が増える中、保育園の休園は企業活動などにも影響しそうだ。【林奈緒美、中川友希】

感染経路、7割が家庭内

 厚生労働省によると、11~17日の1週間で、全国の20歳未満の新規感染者数は2万2175人。うち、10歳未満が7441人、10代が1万4734人だった。中でも感染拡大が進む東京都では、20歳未満の新規感染者数が7月中旬から連日100人を超え、8月21日には過去最多の904人になった。新規感染者全体に占める割合も7月1日の11%から8月23日には17%に増えた。

 東京都立小児総合医療センター(東京都府中市)感染症科の堀越裕歩医長によると、新型コロナに感染した子どもの入院患者数は4、5月は1桁だったが、6月以降は28床のうち、10~20床が埋まる状態が続いている。ほとんどは無症状や軽症だが、両親が陽性で入院するなど、家庭の事情のために入院している。症状は発熱や咳、嘔吐(おうと)や下痢などで、まれに水分補給のために点滴が必要だったり、肺炎で酸素投与や人工呼吸器が必要だったりするケースがあるという。

 厚労省研究班の調査によると、新型コロナに感染した20歳未満の感染経路については7割が家庭内で、その半数が父親経由とみられている。ただ第5波は感染経路が多様になっている可能性も指摘される。聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の勝田友博准教授は「家庭内感染が多いことに変化はないが、保育園などでの感染も発生している。子どもからの感染も気を付けなければならなくなっている」と話す。

 親世代の感染拡大も目立っている。11~17日の1週間の全国の新規感染者のうち、20~40代の親世代の感染が6割を占める。勝田准教授は「12歳未満の子どもはワクチンを打てないので、保護者がワクチンを打つことで感染防止につなげてほしい。また、大人の行動一つで家族全員が感染してしまう例もたくさんあるので、やはり不要不急の外出は自粛してほしい」と話した。

感染者1人で休園のケースも

 「どうしても子ども同士の距離が近くなるので防ぎようがない。休園によって、働く親の子どもを預かることができず社会に迷惑をかけてしまった」。…

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