連載

理の眼

ジャーナリストの青木理さんのコラム。権力を監視する眼が光ります。大阪本社版夕刊連載。火曜日更新。

連載一覧

理の眼

黒塗り文書が示す課題=青木理

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 名古屋出入国在留管理局の収容施設で3月に死亡したスリランカ人女性の遺族に対し、同入管は大量の黒塗り文書を“開示”しました。遺族の弁護団が死亡原因の解明につながる関連行政文書の開示を求めたのに、入管が示した1万5113枚もの文書の大半を覆いつくしていたのは黒、黒、黒一色。

 満足な医療すら受けさせず、侮辱すら加えて一人の人間を死に至らしめても、真相を明らかにするつもりはないし説明するつもりもない、という法務・入管当局の「情報隠蔽(いんぺい)宣言」と受けとめるべきでしょう。この一件には現下日本政治の悪弊がいくつも凝縮されていると僕は思います。

 まずは国際水準と乖離(かいり)した外国人政策。さまざまな事情を抱えて不法滞在状態となった外国人を敵視し、難民にもひどく冷淡な態度を貫く非人道性に加え、単に労働力としかとらえない外国人労働者政策も常軌を逸しています。

この記事は有料記事です。

残り577文字(全文957文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集