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千葉雅也さんが語る「小説を書く人生」 2冊目は「オーバーヒート」

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「こんなふうに小説を書く人生になると思っていなかった」と語る哲学者の千葉雅也さん Ⓒ新潮社
「こんなふうに小説を書く人生になると思っていなかった」と語る哲学者の千葉雅也さん Ⓒ新潮社

 「こんなふうに小説を書く人生になると思っていなかった」。現代思想や批評の分野で既に名の知れた哲学者は笑った。立命館大教授も務める千葉雅也さん(42)の2冊目となる小説『オーバーヒート』(新潮社)が刊行された。2019年のデビュー作「デッドライン」に続き芥川賞候補になった表題作と、21年の川端康成文学賞を受賞した短編「マジックミラー」を収める。

 「オーバーヒート」は18年の大阪が主な舞台。東京から移り住み、京都の大学で教える哲学者「僕」は同性愛者であり、言葉と肉体の間を揺れながら生きる。「主人公は言葉の向こう側にある身体的な現実に憧れながら、でも学者だからその手前で言葉があふれ、言葉を捨てられない。その葛藤を描いている」と千葉さん。当事者である自らの見知った経験を素材に、「一つの寓話(ぐうわ)」として紡いだ。「性に関することには苦い部分もあるし、醜い部分もある。…

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